海外研修報告

材料科学特別研修Ⅱ

理学研究科物理学専攻 小笠原さん

2020年1月から3月にかけてアメリカメリーランド州のNational Institute of Science and Technology (NIST) のTaner Yildirim 教授のところへインターンに行きました。本来はNIST Center for Neutron Research (NCRN)で中性子散乱の実験を行う予定でしたが、Covid-19の影響でかなわず、NIST内のコンピューターをお借りして密度汎関数理論に基づいた第一原理計算ソフトQuantum Espressoを用いた電子状態計算についてご指導いただきました。

NISTは敷地がかなり広く(Google Mapでざっと計算したところ東京ドーム56個分)、その中に建物が点在しています。また敷地はフェンスで囲まれており、いくつかある入り口では必ずNIST職員証明用のカードによる認証が行われます。これらの入り口やそれぞれの建物の距離がかなり長いため、多くの方は自動車や自転車で通勤していました。

社員寮のようなものではなく、NIST近くの民家に間借りして住まわせてもらっていたので、食事も基本的には近くのスーパー等を利用して自炊をしていましたが、コロナ流行のあおりを受けてトイレットペーパー等の生活必需品やパンパスタ等の主食などが売り切れていたりすることもありました。

特に3月に入ると感染者が急激に増え始めたため、本来より2週間ほど前倒しで帰国することとなりました。航空券はキャンセルが相次いでいたこともあり比較的簡単に予定の変更ができましたが、感染拡大のため空港までの鉄道が本数制限や運行停止を検討しており空港までの足の確保のほうが苦心しました。最終的には家主さんにお願いして近所の方に車を出していただくことになりました。

ここから先は余談ですが、Ⅰ型糖尿病患者ということで3か月分のインスリン注射と注射針をトランクに詰め込んで行きました。言うまでもないことですが持病持ちの方は現地で薬が手に入らない場合、手に入っても体に合わない場合、保険の関係で購入が難しい場合などを考慮して事前に担当医の方と相談し、できれば常備薬はある程度持っていくことにしましょう。また、錠剤や粉末状のものは問題ありませんが、注射液等は凍らせると変質して薬としての効果が失われてしまう場合があるので、飛行機搭乗時機内に持ち込む必要があるかなどは事前に確認しておきましょう。

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