海外研修報告

材料科学特別研修Ⅰ

理学研究科物理学専攻 滑川さん

私は海外における特別研修として3月上旬にダルムシュタット工科大学を3日間ほど訪問しました。ダルムシュタットはフランクフルトの南部にある地方都市です。市内では路面電車が走っており滞在中に泊まったホテルから大学を訪問する際はそれを利用しました。

初日は自分の研究内容を英語でプレゼンしました。私は英語を話すのは得意ではないのでとても不安でしたが拙いながらなんとか発表を終えることができ、英語の発表を行うことに少しだけ自信を持てるようになりました。私たちの研究内容のプレゼンが終わった後は、ダルムシュタット工科大学の先生方の研究内容をお聞きしました。

二日目は工学理論グループの研究室を訪問させていただきました。ダルムシュタット工科大学の理論研究グループはスケールの異なる対象に対して研究を行う3グループが協力して研究を行っており、例えば一番ミクロな物性を取り扱っているHongbin Zhang先生のグループが第一原理計算を行った結果を利用してさらに大きなスケールを取り扱うグループが計算を行うことがあるそうです。これは、私の属する物理学専攻の物性理論研究室がそれぞれのグループでほぼ完全に独立して研究を行っていることと対照的であり良いシステムだと思いました。研究室の訪問の際、特にZhang先生には研究内容を詳しく説明していただきました。私は研究において密度汎関数理論(DFT)という手法を用いているのですが、Zhang先生のグループも同じ手法を使っており、私の行っていることと関連のある研究テーマや研究手法についてお話しいただきました。その中で機械学習を用いて物性値を最大化するような物質を見つける方法のお話が特に興味深かったです。

 私は海外を訪れたことがなく海外で長期の研修を行うことに不安を持っていたのですが、この短期の研修を行うことで海外の大学の雰囲気を感じ取り不安を少し解消することができ良い経験になりました。


写真1:ダルムシュタット工科大学の先生方とGP-MSプログラム学生


写真2:ダルムシュタットを走る路面電車


写真3:結婚記念塔



写真4:メッセル採掘場(ドイツ最古の世界自然遺産)

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