海外研修報告
材料科学特別研修Ⅱ
理学研究科化学専攻 山本さん
今回4月から10月にかけての半年間、ダルムシュタット工科大学材料研究科[写真1]にて研究を行ってきました。
もともと研究内容も近く福村研には存在しないMBE装置[写真2]を用いた研究ができるということで、Alff研への訪問を打診したところ、コロナ前に一度訪問した(http://gp-ms.tohoku.ac.jp/student/stie_tud_yamamoto.html)のもよい材料になったのか、半年間の滞在を受け入れていただきました。
写真1:ダルムシュタット工科大学材料研究科
写真2:Alff研究室MBE装置
直前の2月に始まった戦争のため、直行便が飛ばずドバイ経由に変更になるなどトラブルもあったものの、予定とそう大きくずれることなく無事到着し研究を開始しました。Alff研究室では、日本でスパッタ装置を用いて合成していたLa2O2Sbという物質をMBE装置を用いて合成し、更なる物性評価を行うという予定でしたが、MBEでの薄膜合成にようやく成功したところで時間切れとなり、合成した薄膜を日本に持って帰ってきてこれから物性評価を行おうというところです。
大学の敷地内の寮への入寮、住民登録、ビザの取得、銀行口座開設のアポイント取りまで、生活に必要な手続きの類は大学の事務局がほぼすべて世話してくださったので、非常にスムーズに進みました。これは行き先にもよるとは思いますがダルムシュタット工科大学は非常に学生の負担が少ない部類かと思います。また、研究面でも、テクニシャンの方が装置管理を徹底しておられ、非常に快適に研究生活を送ることができました。
学生証には裏側に鉄道乗り放題チケットがついており、自由に移動ができたので、休日はよくワイン産地であるリューデスハイム[写真3]に足を延ばして、ワインを飲んでいました。
写真3:リューデスハイムにて
ドイツといえばビールですし、ダルムシュタットにも三つ醸造所があるほどにはビールをみんな飲んでいたのですが、フランスに近いエリアということもあり、白ワインがとてもおいしかったです。飲み会もそこそこの頻度で参加させていただき、醸造所併設の飲み屋やヨーロッパ各地から来た学生の故郷の料理を出す店など様々な店を楽しんできました[写真4]。
学術都市ということで基本的には治安もよく、研究室と寮の鍵を一度紛失したのですが一週間たたないうちに大学事務経由で戻ってくるほどで、日常生活で不安を感じることはありませんでした。
写真4:飲み会にて